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生えかけの親知らずが痛い3つの原因と5つの対処法
2025年12月12日

生えかけの親知らずが痛くて困っていませんか?親知らずは18歳から25歳頃に生えてくる最後の永久歯で、生える途中で痛みが出る方は少なくありません。しかし、痛みを我慢して放置すると、炎症が悪化したり、隣の歯に影響が出たりする可能性があります。この記事では、生えかけの親知らずが痛む原因から、自宅でできる対処法、歯科医院での治療まで詳しく解説していきます。
生えかけの親知らずが痛い3つの原因

痛みの原因は人によってさまざまですが、主に3つの原因が考えられます。生えかけの親知らずが痛む原因を正しく理解することで、適切な対処法を選ぶことができます。それぞれの原因について見ていきましょう。
歯茎が腫れて起こる智歯周囲炎
生えかけの親知らずが痛む原因の一つは智歯周囲炎(ちししゅういえん)です。親知らずは口の一番奥に位置しており、歯ブラシが届きにくい場所にあります。生えかけの状態では、歯の一部が歯茎に覆われているため、その隙間に食べかすや細菌が入り込みやすくなります。細菌が繁殖すると歯茎に炎症が起こり、腫れや痛みが発生するのです。
特に疲れているときや体調が悪いときは、抵抗力が落ちて炎症が起きやすくなります。炎症がひどくなると、顔が腫れたり、口が開きにくくなったりすることもあるため早めに歯科医院での受診が必要です。
周りの神経や組織への圧迫
親知らずが生えてくるときは、歯茎を押し上げながら、隣の歯や周りの組織を圧迫します。顎のスペースが狭い傾向にある現代人は、親知らずが正常に生えるための十分な場所がないことが多いです。そのため、親知らずが斜めや横向きに生えてきて、隣の歯を押したり、神経を圧迫したりすることがあります。
圧迫による痛みは、ズキズキとした持続的な痛みとして感じられることが多いでしょう。親知らずがまっすぐ生えてくる場合は、時間とともに痛みが和らぐこともありますが、横向きや斜めに生えている場合は改善しにくい傾向があります。
噛み合わせによる歯茎の傷
生えかけの親知らずでは、上下の歯の位置関係によって、反対側の歯が歯茎を噛んでしまうことがあります。例えば、下の親知らずが生えかけているときに、上の親知らずがその部分の歯茎を噛んでしまうケースです。噛むたびに歯茎が傷つき、痛みが生じます。
傷ついた歯茎は腫れやすくなり、余計に噛みやすくなるという悪循環に陥ることもあるでしょう。食事のたびに痛みを感じるため、日常生活に大きな支障をきたす場合があります。
親知らずが痛いときの対処法5選

親知らずの痛みは突然やってくることもあり、すぐに歯科医院に行けない場合もあるでしょう。そんなときに知っておきたい、自宅でできる対処法を5つご紹介します。ただし、これらはあくまで一時的な対処法であり、根本的な治療にはならないことを理解しておきましょう。なるべく早めに歯科医院を受診することが大切です。
痛む部分を冷やす
親知らずの痛みや腫れがある場合、痛みがある部分を冷やすことで症状を和らげられます。冷たいタオルや保冷剤をハンカチなどで包み、頬の外側から20分程度当てましょう。ただし、氷を直接肌に当てたり、長時間冷やしすぎたりすると、かえって血行が悪くなることがあります。冷やす時間は1回20分程度を目安にして、様子を見ながら休憩を挟んで行うことが大切です。
市販の痛み止めを飲む
痛みが強い場合は、市販の鎮痛剤を服用することで一時的に症状を抑えることができます。ロキソプロフェンやイブプロフェンなど、歯の痛みに対応した成分が含まれた薬を選びましょう。薬を服用する際の注意点は以下のとおりです。
- 用法・用量を必ず守る
- 空腹時の服用は避ける
- 長期間の連用は控える
- 他の薬を服用中の場合は薬剤師に相談する
痛み止めはあくまで一時的な対処法であり、根本的な治療にはなりません。もし痛みが和らいでも、必ず歯科医院を受診することが大切です。
やわらかい歯ブラシで優しく磨く
生えかけの親知らず周辺は汚れがたまりやすく、炎症の原因となります。やわらかめの歯ブラシやタフトブラシ(毛束が1つになった小さな歯ブラシ)を使って、優しく磨きましょう。強く磨きすぎると歯茎を傷つけて、かえって痛みが増すことがあります。歯と歯茎の境目を意識しながら、小刻みに動かして汚れを取り除くことがポイントです。痛みがある部分は無理をせず、できる範囲で清潔を保つよう心がけましょう。
うがい薬で口の中を清潔にする
殺菌作用のあるうがい薬を使うことで、口の中の細菌を減らし、炎症を抑える効果が期待できます。イソジンやコンクールなどの薬用うがい薬を、1日2~3回を目安に使いましょう。うがいをする際は、親知らず周辺にうがい液が行き渡るように、ゆっくりと口の中で液を動かします。痛みがある場合は刺激の強いタイプやアルコール成分が含まれたものは避け、低刺激性のものを選ぶことが大切です。
しっかり休んで栄養をとる
疲労やストレスは免疫力を低下させ、炎症を悪化させる原因となります。十分な睡眠をとり、バランスのよい食事を心がけましょう。
痛みで食事が取りにくい場合は、おかゆやスープ、やわらかく煮たうどんなど、噛まずに食べられるものを選ぶとよいです。ビタミンCや亜鉛など、傷の治癒を助ける栄養素を積極的に摂取することも大切です。無理をせず、体を休めることで自然治癒力を高めることができるでしょう。
親知らずが痛いときに避けたいNG行動

親知らずが痛むときは、つい自己流で対処してしまいがちです。しかし、間違った対処法は症状を悪化させる原因になります。痛みがあるときに避けるべき3つの行動についてご紹介します。これらの行動を知っておくことで、症状の悪化を防ぐことができるでしょう。
硬い歯ブラシで強く磨く
痛みがある部分を清潔にしようと、硬い歯ブラシで強く磨くのは避けましょう。腫れた歯茎はデリケートな状態になっており、強い刺激を与えると傷つきやすくなっています。硬いブラシで強く磨くと、歯茎から出血したり、傷口から細菌が入り込んだりする可能性があります。炎症がさらに悪化し、痛みが増すことにもなりかねません。
血流がよくなる行為をする(飲酒・運動・入浴)
親知らずが痛むときに避けたい行動は以下のとおりです。
- 飲酒
- 激しい運動
- 長時間の入浴やサウナ
- 熱いお風呂に浸かる
血流がよくなると、炎症部分の腫れや痛みが増す可能性があります。アルコールは血管を広げる作用があり、痛みを強く感じやすくなるでしょう。運動や入浴も同様に、体温が上がることで症状が悪化する場合があります。痛みがあるときは、シャワーで済ませるか、ぬるめのお湯で短時間の入浴にとどめることをおすすめします。
親知らずを舌や指で触る
痛みが気になって、つい舌や指で親知らずを触ってしまうことがありますが、避けるべき行動です。手や舌には多くの細菌が付着しており、傷口や炎症部分に細菌を運んでしまう可能性があります。また、触ることで刺激を与え、痛みや腫れを悪化させることもあるでしょう。特に子どもの場合は無意識に触ってしまうことが多いため、注意が必要です。
生えかけの親知らずを放置した場合に起こりうること

生えかけの親知らずの痛みを「そのうち治るだろう」と放置していませんか?実は、親知らずのトラブルを放置すると、痛み以外にもさまざまな問題が起こる可能性があります。ここでは、放置することで起こりうる6つのリスクについて解説します。
虫歯・歯周病の発症
生えかけの親知らずは、歯ブラシが届きにくく、食べかすや歯垢がたまりやすい環境にあります。放置すると虫歯になりやすく、隣の歯まで虫歯にしてしまうリスクがあります。また、歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)が深くなりやすく、歯周病の原因にもなるでしょう。親知らずの虫歯は気づきにくく進行が早い傾向にあり、神経まで達すると激しい痛みを引き起こすこともあります。
噛み合わせの乱れと隣の歯への影響
横向きや斜めに生えた親知らずは、隣の歯を押して歯並びを悪くする可能性があります。前歯がガタガタになったり、噛み合わせがずれたりすることもあるでしょう。一度乱れた歯並びを元に戻すには、矯正治療が必要になる場合もあります。
また、親知らずが隣の歯を強く押し続けると、押された歯の根っこが徐々に溶けてしまうことがあります。歯の根が溶けてしまうと、その歯を支えることができなくなり、親知らずだけでなく隣の健康な歯まで抜かなければならなくなるケースもあるのです。
口臭の悪化
親知らず周辺にたまった食べかすや歯垢は、細菌の温床となり、強い口臭の原因となります。特に炎症が起きている場合は、膿が出ることもあり、さらに口臭が強くなるでしょう。マスクをしていると自分の口臭が気になりやすく、人と話すことに不安を感じる方も多いです。口臭は自分では気づきにくいこともあるため、定期的な歯科検診で早めに原因を特定し、治療することが大切です。
顔の腫れや口の開きにくさ
智歯周囲炎が悪化すると、顔の形が変わるほど大きく腫れることもあります。腫れがひどくなると、口を開けることが難しくなり、食事や会話に支障をきたしてしまいかねません。このような状態になると、歯科医院での治療も難しくなることがあります。早めの受診が重要な理由の一つです。
発熱・倦怠感などの全身症状
親知らずの炎症が進行すると、リンパ節が腫れ、発熱や倦怠感などの全身症状が現れることがあります。38度以上の高熱が出ることもあり、日常生活に大きな影響を与えるでしょう。
重症化すると、炎症が顎の下や首の方まで広がる蜂窩織炎(ほうかしきえん)という状態になることもあります。この場合、入院治療が必要になることもあるため、早い段階での治療が重要です。
繰り返す痛み
一度痛みが治まっても、根本的な原因を解決していなければ、痛みは繰り返し起こります。疲れたときや体調を崩したときに、再び痛みや腫れが現れるでしょう。痛みを繰り返すたびに炎症の範囲が広がり、治療が困難になることもあります。痛みが治まったからといって安心せず、歯科医院で適切な診断を受けることが大切です。
歯科医院で受けられる親知らずの治療

親知らずの痛みや腫れが続く場合は、歯科医院での専門的な治療が必要です。歯科医院では、痛みの原因や親知らずの状態に応じて、さまざまな治療を行います。ここでは、歯科医院で行われる4つの主な治療法について解説します。
洗浄・消毒で炎症の抑制
歯科医院では、まず親知らず周辺の洗浄と消毒を行います。専用の器具を使って、自分では取りきれない汚れや細菌を除去し、炎症を抑えていきます。場合によっては、抗菌剤配合の薬剤を直接患部に塗布することもあるでしょう。定期的に洗浄・消毒を行うことで、炎症の再発を防ぐこともできます。
抗生剤や痛み止めの処方
炎症が強い場合は、抗生物質を処方して細菌の繁殖を抑えます。痛みが強い場合は、処方薬の鎮痛剤を出してもらうこともあるでしょう。また、処方された抗生物質は、症状が改善しても最後まで飲み切ることが重要です。途中でやめると、細菌が薬に対して耐性をもつ可能性があります。用法・用量を守って、指示通りに服用しましょう。
親知らずの角を削って調整
上下の親知らずの噛み合わせが原因で歯茎を傷つけている場合は、歯の尖った部分を少し削って調整することがあります。歯の角を丸めることで、歯茎への刺激を減らし、痛みを軽減できます。
この処置は比較的簡単で、処置中の痛みもほとんどありません。ただし、根本的な解決にならない場合もあるため、状況に応じて他の治療法を検討することもあります。
抜歯
親知らずが横向きや斜めに生えている場合、繰り返し炎症を起こす場合、虫歯が進行している場合などは、抜歯が必要になることがあります。抜歯の流れは以下のとおりです。
- レントゲンで歯の位置や神経との関係を確認
- 局所麻酔を行う
- 必要に応じて歯茎を切開
- 親知らずを分割しながら抜く
- 傷口を洗浄して縫合
抜歯後は腫れや痛みが3~4日程度続くことがあります。処方された薬を適切に服用し、安静に過ごすことが大切です。抜歯は痛みや腫れが強いときには行えないため、炎症が落ち着いてから実施することが一般的です。早めに相談して、適切なタイミングで治療を受けましょう。
まとめ
生えかけの親知らずの痛みの原因は智歯周囲炎、神経や組織の圧迫、噛み合わせによる歯茎の傷などさまざまです。自宅での応急処置として、患部を冷やしたり、痛み止めを服用したりすることで一時的に症状を和らげることはできます。しかし、これらは根本的な解決にはなりません。
生えかけの親知らずを放置すると、虫歯や歯周病、歯並びの悪化、口臭、さらには全身症状まで引き起こす可能性があります。痛みが治まったからといって安心せず、早めに歯科医院を受診して適切な診断と治療を受けることが大切です。
親知らず・顎関節症クリニック銀座(オヤアゴ銀座)では、難症例にも対応可能な専門医が在籍し、歯科用CTによる精密診断と、恐怖心が強い方には静脈内鎮静法も選択できます。痛みや腫れ、口臭などの症状がある方は、将来的なトラブルを防ぐためにも早めの受診をおすすめします。専門医による適切な診断と治療を受け、親知らずの問題を根本から解決しましょう。
監修歯科医師
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医療法人社団GRIT 理事長
〔院長略歴〕
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長
小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会) インプラント認定医
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会 
