「親知らずの抜歯の難易度(Pell & Gregory分類)」と
「下歯槽神経麻痺の分類(Seddon分類)」
「下歯槽神経麻痺の分類(Seddon分類)」
親知らずの抜歯が難しい理由
親知らずの抜歯は、歯の位置や骨との関係、神経の近さによって難易度が変わります。当院では事前にCT検査を行い、安全に抜歯できるよう評価しています。その際に用いるのが「Pell & Gregory分類」と呼ばれる評価方法です。
Pell & Gregory分類とは
親知らずは、横向きや斜めに生えてきたり、骨の中に深く埋まっていることがあります。そのため、抜歯のしやすさを分かりやすくするために「Pell & Gregory分類」という方法が使われます。
この分類は、
1. 前後のスペース(Class I〜III)
2. 深さ(Position A〜C)の2つの観点で分けます。
1. 前後のスペース(Class I〜III)
* Class I:親知らずの前に十分なスペースがあり、比較的抜きやすい
* Class II:スペースが半分くらいで、少し骨に覆われているため難しくなる
* Class III:スペースがほとんどなく、親知らずが骨の中に埋まっていて難しい
2. 深さ(Position A〜C)
* Position A:奥歯と同じくらいの高さ(浅い位置にある)
* Position B:奥歯より少し深い位置にある
* Position C:奥歯の根っこの方よりさらに深い位置にある(深く埋まっている)
「Class III C」のように スペースがなく、しかも深く埋まっている親知らず が最も難しく、「Class I A」のように スペースがあり、浅い位置にある親知らず が最も簡単に抜歯できます。
こうした分類を参考に、当院では事前にCT撮影を行い、安全に抜歯できる方法を選んでいます。

下歯槽神経麻痺のリスクとSeddon分類
* Neurapraxia(ニューロプラクシー):一時的なしびれ。数日〜数週間で回復
* Axonotmesis(アクソノトメシス):軸索が傷つくが回復可能。数か月かかることもあります
* Neurotmesis(ニューロトメシス):神経が完全に断裂。自然回復は困難で手術が必要になることもあります

当院での対応
抜歯前に必ずCT撮影を行い、神経との距離を確認します。
難易度が高い場合には、より安全な方法(骨の削除・歯の分割など)を選択します。
神経損傷のリスクがある場合は、事前に詳しく説明し、納得いただいた上で治療を進めます。
親知らずの位置においては、術後の麻痺が避けられないことがあります。麻痺確認後、治癒に向けて適切に対応していきます。
