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顎関節症Ⅰ型が長引く理由|グラインディング型歯ぎしりという背景

2025年12月24日

こんにちは。東京都中央区銀座5丁目にある
【親知らず・顎関節症クリニック銀座(通称:オヤアゴクリニック)】です。
当院は以下の3つに特化した歯科クリニックです。
* 親知らずの抜歯
* 顎関節症の治療
* アスリートのための歯科治療

歯ぎしり(特にグラインディング型)との深い関係

「顎関節症Ⅰ型ですね。筋肉の問題です。」

こう説明されると、
「スプリントを使えば良くなる」
そう期待される方も多いと思います。

しかし実際の臨床では、Ⅰ型(咀嚼筋障害)であっても、なかなか症状が改善しないケースが存在します。
その多くに共通する背景が、歯ぎしり、特にグラインディングタイプです。

歯ぎしりにはタイプがある

歯ぎしり(ブラキシズム)は、大きく以下の3つに分類されます。

① グラインディング(Grinding)
 • 上下の歯を強く擦り合わせる
 • ギリギリ・ジャリジャリという音
 • 最も顎関節・筋肉・歯に負荷がかかる

② クレンチング(Clenching)
 • 歯を強く噛みしめる
 • 音は出にくいが、筋疲労が強い

③ タッピング(Tapping)
 • 歯をカチカチと素早く当てる
 • 比較的負荷は軽い

この中で、顎関節症Ⅰ型と最も相性が悪い(=治りにくい)のがグラインディングタイプです。

なぜグラインディング型は治りにくいのか?

理由は、顎関節症Ⅰ型の本質にあります。

原因が「構造」ではなく「機能」にある

Ⅰ型は、
 • 関節円板のズレ
 • 骨の変形

といった画像で見える異常が乏しいケースが多く、筋肉の過緊張・運動パターンの異常が主因と考えられています。

グラインディングは無意識の運動学習

グラインディングは、
 • 睡眠中
 • 集中時
 • ストレス下

など、本人が全く自覚しない状態で繰り返される運動です。

つまり、
 • スプリントで「歯を守る」ことはできても
 • 筋肉の使い方そのものは変わらない

このため、

痛みは少し楽になるが、完全には治らない
という状態に陥りやすくなります。

スプリント療法の限界と役割

スプリント(マウスピース)は、
 • 歯の摩耗防止
 • 関節への急激な負荷軽減
 • 筋活動の一時的抑制

といった守りの治療として非常に有効です。

しかし、

グラインディング由来のⅠ型顎関節症
では、スプリント単独での根治は難しいのが現実です。

ボツリヌストキシン(ボトックス)という選択肢

そこで検討されるのが、咬筋・側頭筋へのボトックス治療です。

エビデンス的には?
 • 咬筋活動の低下
 • 筋由来の疼痛軽減
 • 歯ぎしりの力の減弱

については、一定の有効性が報告されています。

ただし重要なのは、

「歯ぎしりが治る」わけではない
という点です。

ボトックスの正しい位置づけ
 • 筋出力を一時的に下げる
 • 痛みの悪循環を断ち切る
 • 行動療法・セルフケアを併用するための時間を稼ぐ
治癒を促すきっかけ作りとして使うのが現実的です。

結論:顎関節症Ⅰ型 × グラインディングは「複合戦」

顎関節症Ⅰ型で、
 • グラインディングが強い
 • 症状が慢性化している

この場合、

スプリント
筋肉へのアプローチ(ボトックス含む)
生活習慣・ストレス・姿勢・運動の見直し

を組み合わせて考える必要があります。

原因不明だからこそ、戦略が必要

顎関節症Ⅰ型は、

「原因が分からない病気」
と表現されることもあります。

しかし実際には、

単一の原因がない病態
と捉えた方が正確です。

だからこそ、
 • 何を守り
 • 何を変え
 • どこまで現実的に改善を目指すのか

を、患者さんごとに設計することが重要だと私たちは考えています。

「スプリントを使っているのに良くならない」
「筋肉の痛みがずっと続いている」

そんな方は、一度歯ぎしりのタイプ”から見直すことが、解決への第一歩になるかもしれません。



オヤアゴ院長ブログ
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監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。

〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会) インプラント認定医
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会