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完全埋伏している親知らずはどう抜歯する? — 左下の埋伏智歯のケース紹介 —

2025年12月8日

こんにちは。東京都中央区銀座5丁目にある
【親知らず・顎関節症クリニック銀座(通称:オヤアゴクリニック)】です。
当院は以下の3つに特化した歯科クリニックです。
* 親知らずの抜歯
* 顎関節症の治療
* アスリートのための歯科治療

本日は、矯正治療のために抜歯が必要になった左下の完全埋伏智歯のケースをご紹介します。
「完全に骨の中に埋まっている親知らずは、どうやって抜くの?」
そんな疑問にお答えしつつ、実際の処置の流れを解説します。

■ 完全埋伏歯とは?
親知らずが 粘膜にも歯ぐきにも顔を出しておらず、すべてが骨の中に隠れている状態 をいいます。
レントゲンで初めて存在が確認できるような「完全に姿を見せない親知らず」。
このタイプは、周囲の骨や神経との位置関係を慎重に読み解く必要があるため、
外科的な高度な技術が求められます。

■ Step1:切開 → 粘膜の剥離。しかし…歯は見えません。
完全埋伏歯の抜歯では、まず歯ぐきを切開し、粘膜を丁寧に剥離します。
しかしこの段階では 歯はまだ姿を現しません。
粘膜の下にさらに骨があるため、
歯に触れるどころか影も見えないというのが完全埋伏歯の特徴です。

■ Step2:歯槽骨の一部を削り、歯を露出させる
次に、歯を包んでいる 歯槽骨を一部削除していきます。
「削る」というと怖く聞こえるかもしれませんが、
これは歯を安全に露出し、慎重に取り除くために欠かせない工程です。
骨を削る範囲が大きすぎると術後の治癒に影響しますし、
逆に削らなすぎると 手前の歯を傷つけるリスク が高まります。
そのため術者には、
必要最小限の骨削除で、安全な露出を確保する 技術と判断が求められます。

■ Step3:歯冠の分割 → 最もナーバスな工程
歯が露出したら、次は 歯冠(頭の部分)を分割して取り除く工程 に入ります。
ここが、実は抜歯の中で最も繊細なステップ。

理由は、
* 手前の歯に触れないようにする
* 抜去時の力が隣在歯に伝わらないようにする
* 術後の骨へのダメージを最小限にする
ためです。
無理に大きな力をかけると、
歯槽骨の損傷や炎症、さらには麻痺リスクにも影響する可能性があります。

■ 当院の抜歯方針:骨を削りすぎない、歯冠を削って小さくする
完全埋伏歯では、
大きな歯冠を一気に取り除くために骨を多く削る方法 があります。
しかし当院では、
可能な限り骨への侵襲を避ける方針 を取っています。

具体的には:
* 骨は最小限しか削らない
* 歯冠を細かく分割し、小さなピースとして丁寧に取り除く

この方法は時間と技術を要しますが、
術後の骨髄炎リスク・麻痺リスクを低く抑えることができる
大きなメリットがあります。
親知らずの抜歯後のトラブルの多くは「骨への侵襲量」に比例します。
だからこそ、
どれだけ骨を残すか が術者の腕の見せどころなのです。
早く抜歯をするためには、侵襲性を高くすれば早くはできますが、そのトレードオフが大きい。

■ まとめ:完全埋伏歯は、見えないからこそ難しい
* 完全埋伏智歯は、歯ぐきにも骨にも隠れた歯
* 切開してもすぐには見えず、まず骨を削って露出させる
* 歯冠分割が最も繊細で、術者の経験が問われる
* 骨を残し、慎重に歯冠を分割することで、術後リスクを大幅に低減できる

矯正治療をスムーズに進めるためにも、
埋伏智歯の抜歯はとても重要なステップです。
安全に、そして確実に──
これからも一つひとつの症例に丁寧に向き合っていきます。



オヤアゴ院長ブログ
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監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。

〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会) インプラント認定医
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会