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親知らず抜歯後の過ごし方|痛みはいつまで続く?食事は?歯磨きは?
2025年12月5日

親知らずを抜いた後、「この後どう過ごせばいいんだろう」と不安になっていませんか?痛みはいつまで続くのか、いつから普通に食事ができるのか、歯磨きはどうすればいいのか、気になることがたくさんあるはずです。抜歯後の過ごし方次第で、回復の早さや痛み・腫れの程度が大きく変わってきます。適切なケアを行えば、思っているより早く日常生活に戻れる可能性があり、逆に間違った対処をしてしまうと、ドライソケットなどのトラブルにつながることもあります。
この記事では、親知らず抜歯後の痛みの期間、食事や歯磨きについて、日常生活で気をつけるべきポイントまで、分かりやすく解説していきます。
親知らず抜歯後はどんな症状が出る?

親知らずを抜いた後は、体が傷を治そうとする自然な反応として、腫れや痛み、出血、口の開きにくさ・違和感といった症状が現れます。
腫れや痛み
親知らずを抜いた後、多くの方が経験するのが腫れと痛みです。上あごよりも下あごの親知らずを抜くと腫れやすく、痛みも強く出る傾向があります。また、痛みや腫れの程度は、個人差に加えて親知らずの生え方によっても異なります。
横向きや斜めに生えていた親知らずや、歯茎に埋まっていた親知らずを抜いた場合は、歯茎を切開したり骨を削ったりする必要があるため、痛みや腫れが強く出やすいです。もし、痛みが1週間以上続く場合は、ドライソケットなどの合併症の可能性があるため、歯科医院への受診をおすすめします。
出血
抜歯当日は、唾液に血が混じることがあります。抜歯直後は、歯科医院で渡されたガーゼを20~30分ほどしっかりと噛んで圧迫止血を行います。ガーゼは抜歯した穴にぴったりとはまるサイズで準備されているため、正しい位置で噛むことが大切です。
止血処置をした後も少量の出血が続くことがありますが、24時間以内には落ち着くことがほとんどです。出血が止まらない場合の対処法は以下のとおりです。
- 清潔なガーゼを硬く折りたたむ
- 抜歯した部分に乗せて30分間しっかり噛む
- それでも止まらない場合は歯科医院に連絡する
なお、血液をサラサラにする薬を服用している方や、血圧が高い方は出血が止まりにくい傾向があります。
口の開きにくさ・違和感
抜歯後は、炎症や腫れの影響で口が開きにくくなることがあります。抜歯部位の炎症が咀嚼筋(噛む筋肉)に広がり、筋肉が腫れや痛みで動きが制限されることが原因です。
抜歯時に長時間にわたって口を大きく開けたことによる、顎関節や筋肉の負担も一因となります。また、抜歯した部分に違和感を覚えたり、のどの痛みや飲み込みにくさを感じたりすることもあります。とくに下あごの親知らずを抜いた場合は、のどに近いため、飲み込むときの痛みが生じやすいことを把握しておきましょう。
親知らずを抜いた後の過ごし方

親知らずを抜いた後の過ごし方は回復に大きく影響します。ここで正しい過ごし方を把握し、抜歯後の回復に努めましょう。
食事は流動食から徐々に普通食に変えていく
抜歯当日は、麻酔が切れてから食事をとることが大切です。麻酔が効いている間は感覚がなく、誤って頬や舌を噛んでしまう危険があります。通常、麻酔は2~3時間で切れるため、それまでは食事を控えましょう。食事の内容は以下のように段階的に変えていくことが大切です。
- 抜歯当日
- おかゆ、雑炊、ゼリー、ヨーグルト、プリン、スープなどの流動食
- 2~3日目
- うどん、そば、豆腐、茶碗蒸し、スムージーなどの柔らかいもの
- 4日目以降
- 腫れや痛みの様子を見ながら、徐々に普通の食事に
抜歯した側と反対側で噛むようにし、熱いものや辛いもの、硬いものは避けます。刺激物は傷口の治りを遅らせる可能性があるため、辛い料理や香辛料は少なくとも1週間は控えておくのが賢明です。
お酒・タバコ・運動は最低3日間控える
血流を促進する行動は、出血や腫れを悪化させる一つの原因です。お酒は血管を広げる作用があり、出血が止まりにくくなります。傷の治りも遅くなる可能性があるため、抜歯後3日間は控えましょう。
また、タバコに含まれるニコチンは毛細血管を収縮させ、傷口への血液供給を妨げます。ドライソケットのリスクも高まるため、避けてください。激しい運動も血圧を上げ、出血の原因となるため控えましょう。軽い散歩程度なら問題ありませんが、ジョギングやスポーツは1週間程度はしない方がよいです。
処方された薬は最後まで飲みきる
抜歯後に処方された薬を途中でやめてしまう方が意外と多いのですが、回復を遅らせる原因になってしまいます。症状が改善しても、処方された分はすべて飲みきることが大切です。とくに抗生物質の服用を途中でやめると、細菌が完全に除去されず、耐性菌が生まれる可能性があります。
痛み止めについても、痛みが治まったからといってすぐにやめず、指示された期間は服用を続けましょう。薬でかゆみ、むくみ、下痢などが現れた場合は、服用をやめて早めに歯科医院に連絡してください。
強いうがいは控える
抜歯後の穴には血餅(けっぺい)という血の塊ができ、傷口を保護する役割を担っています。強くうがいをすると血餅が流れてしまい、骨がむき出しとなり、ドライソケットになる危険性があるため注意が必要です。ドライソケットになると、激しい痛みが生じることがあります。親知らずを抜歯してから5日間程度は、口に水を含んで軽く吐き出す軽いうがいにとどめましょう。
親知らず抜歯後のセルフケア

親知らずの抜歯後、自宅でセルフケアを実施することは、症状を和らげるのに役立ちます。以下の方法を実践しましょう。
濡れタオルで冷やして腫れを抑える
氷を直接当てるのは避け、濡れタオルや保冷剤をタオルで包んだものを30分程度頬に当てます。その後30分以上の休憩を取り、必要に応じて繰り返しましょう。翌日以降は、冷やすのは20分以内にとどめます。冷やしすぎると血流が悪くなり、治りが遅くなることがあるためです。抜歯した翌日以降も、適度に休憩を入れながら冷やします。
枕を高くして寝る
寝るときの姿勢も、腫れに影響を与えます。頭を心臓より高い位置に保つことで、顔への血流を減らし、腫れの軽減が期待できます。普段使っている枕に、もう1枚タオルや薄い枕を重ねて高さを調整しましょう。横向きに寝る場合は、抜歯した側を上にすることで、重力による腫れを抑えられる場合があります。うつ伏せの姿勢は顔に圧がかかるため避けてください。
傷口を避けて優しく歯磨きをする
口の中を清潔に保つことは、感染予防のために大切です。抜歯当日は傷口の治りを妨げないように、うがいのみにとどめます。
翌日からは歯磨きを再開しますが、傷口に直接ブラシが当たらないよう注意してください。小さめの歯ブラシを使い、抜歯した部分以外の歯はいつもどおり磨きましょう。傷口の近くは、ブラシの毛先が軽く触れる程度で十分です。歯磨き粉は少量にして、うがいの回数を減らすことも大切です。
軽いうがいで口の中を清潔にする
強いうがいをすると血餅が流れてしまうため、口に水を含んで軽く吐き出す程度のうがいをしましょう。口の中で水を転がすようなイメージです。
歯科医院から処方されたうがい薬がある場合は、指示通りに使ってください。市販の洗口液を使う場合は、アルコールが含まれていないものを選ぶとよいです。アルコールは刺激が強く、傷口の治りを遅らせる可能性があります。
痛みが出る前に痛み止めを飲む
麻酔が切れる前に痛み止めを服用すると、痛みのピークを抑えることができます。一般的に、麻酔は2~3時間で切れるため、抜歯後1時間程度で初回の痛み止めを服用することをおすすめします。ただし、用法・用量は必ず守り、決められた間隔を空けてから服用してください。
市販の痛み止めを追加で服用する場合は、処方薬との飲み合わせに注意が必要です。歯科医師や薬剤師に相談してから服用しましょう。
こんなトラブルが起きたら受診を

抜歯後の経過は人それぞれですが、以下のような症状が現れた場合は、早めに歯科医院を受診することが大切です。放置すると回復が遅れたり、別の問題が生じたりする可能性があります。
強い痛みが続く:ドライソケット
抜歯後3日を過ぎても強い痛みが続く、または痛みが増してきた場合は、ドライソケットの可能性があります。ドライソケットは、抜歯した穴の血餅が流れてしまい、骨がむき出しになった状態です。下あごの親知らずの抜歯後に起こりやすいといわれています。ズキズキとした強い痛みが特徴で、痛み止めもあまり効きません。
痛みは耳や頭にまで広がることもあります。ドライソケットの原因は以下のとおりです。
- 強いうがいで血餅が流れた
- 喫煙により血流が悪くなった
- 舌や指で傷口を触った
- もともと骨の血流が悪かった
ドライソケットになった場合、歯科医院で処置を受ける必要があります。傷口の洗浄や薬の充填、傷口を刺激して出血させる処置などを行い、新しい血餅の形成を促します。放置すると2週間以上痛みが続くこともあるため、早めの受診が大切です。
腫れが引かない:感染
親知らずの抜歯後から1週間以上経っても腫れが改善しない、または悪化している場合は、傷口が感染している可能性があります。感染の兆候としては、以下が挙げられます。
- 腫れが頬から顎の下、首にかけて広がる
- 38度以上の発熱がある・傷口から膿が出る
- 口が開きにくい状態が続く
- 傷口周りが赤く熱をもっている
とくに、上あごの親知らず抜歯後に目の下まで腫れが広がった場合や、下あごの親知らず抜歯後に首まで腫れが広がった場合は、感染している可能性が考えられます。このような場合は、すぐに歯科医院を受診してください。
唇や舌のしびれが続く:神経障害
下あごの親知らずを抜いた後、唇や舌にしびれが残ることがあります。親知らずの近くを走る下歯槽神経や舌神経が、抜歯時に影響を受けたことが原因です。神経障害の症状は以下のとおりです。
- 下唇から下あごにかけての感覚が鈍い
- 舌の感覚がおかしい、味覚が変わった
- 触れた感覚がビリビリする
麻酔が切れても唇や舌の感覚が戻らない場合は、下歯槽神経や舌神経が影響を受けている可能性があるため早めに歯科医院を受診し、報告してください。歯科医院では、ビタミンB12の服用や温熱療法、神経節ブロックなどの治療が行われます。多くの場合は3~6か月で改善しますが、完治までに1年以上かかることもあります。
日常生活に戻るまでの目安

親知らず抜歯後、いつ普通の生活に戻れるか気になる方も多いはずです。個人差はありますが、一般的な目安をお伝えします。
痛みや腫れが引くまでの期間
痛みと腫れは、それぞれ異なるタイミングでピークを迎え、改善していきます。痛みは抜歯後3〜4日目がピークで、その後徐々に和らいでいくでしょう。多くの場合、1週間ほどで痛み止めが必要ないくらいまで改善します。
腫れも抜歯後2日ほど後にピークを迎え、その後ゆっくりと引いていくでしょう。内出血により黄色や紫色に変色することがありますが、自然に治るため特別な処置は必要ありません。
普通に食事ができるようになるまで
食事は段階的に普通食に戻していきます。抜歯後3日程度で、痛みや腫れが落ち着いてきたら、徐々に歯ごたえのあるものを食べ始めます。パンやハンバーグ、煮魚などから始め、様子を見ながら普通の硬さの食事に戻していってください。1週間後には、ほとんどの方が通常の食事に戻ることができます。ただし、以下の点に注意が必要です。
- 傷口に食べ物が詰まりやすい状態は1か月程度続く
- 硬い食べ物(せんべい、ナッツ類)は2週間程度控える
- 刺激物(辛いもの、酸っぱいもの)は1週間程度控える
食後は軽くうがいをして、清潔を保つことが大切です。
仕事や学校はいつから大丈夫?
多くの場合、デスクワークなどの軽作業であれば翌日から可能です。ただし、以下の点を考慮して判断する必要があります。
- 抜歯の難易度
- 簡単な抜歯か、歯茎を切開したか
- 個人差
- 個人の体調や回復力はどうか
- 仕事や学校の内容
- 肉体労働か、人前に出る仕事か
- 腫れの程度
- 顔の見た目が気になるか
簡単な抜歯の場合は、翌日からこれまでどおりに活動できることが多いです。しかし、埋伏歯の抜歯など難しい処置を行った場合は、2~3日の安静が必要なこともあります。腫れの程度は予測が難しいため、余裕をもったスケジュールを組むことが大切です。
まとめ
親知らずを抜いた後の過ごし方次第で、回復の早さや快適さが大きく変わってきます。腫れや痛みなどの症状は体が傷を治そうとする自然な反応のため、過度に心配する必要はありません。
抜歯後の過ごし方のポイントは、安静を保ち、処方された薬をきちんと服用し、口の中を清潔に保つことです。食事は段階的に普通食に戻し、血流を良くする行動は控えましょう。強い痛みが続いたり、腫れが引かなかったりする場合は、早めに歯科医院を受診してください。
親知らず・顎関節症クリニック銀座(オヤアゴ銀座)では、日本口腔外科学会認定の口腔外科専門医が在籍し、難症例にも対応しています。静脈内鎮静法による痛みを感じにくい処置も可能です。親知らずで悩んでいる方は、ぜひ一度ご相談ください。
監修歯科医師
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医療法人社団GRIT 理事長
〔院長略歴〕
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長
小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会) インプラント認定医
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会 
