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【アスリート必読】抜歯後のリスタート設計──痛みに強いことが最大のリスクになる理由

2025年12月2日

こんにちは。東京都中央区銀座5丁目にある
【親知らず・顎関節症クリニック銀座(通称:オヤアゴクリニック)】です。
当院は以下の3つに特化した歯科クリニックです。
* 親知らずの抜歯
* 顎関節症の治療
* アスリートのための歯科治療

今日はアスリートの抜歯後リスタートについて、少し専門的に、そして実際の臨床で強く感じる危険性をお話しします。

◆ アスリートは「痛みがない=いける」と判断しがち
トライアスロン、ランニング、格闘技、ウェイト系スポーツ……
多くのアスリートは、日常的に筋繊維レベルのダメージや炎症を経験しているため、痛みへの耐性が非常に高い傾向があります。
そのため、抜歯後でも
* 「痛くないから軽くランはOK」
* 「少し腫れてるけど、まぁ問題ないだろう」
* 「強度を落とせば大丈夫」
と判断してしまいがち。
しかし口腔外科的な抜歯は、筋肉痛や打撲とは全く別物です。

口の中の傷は他の怪我とは根本的に違う
アスリートなら誰でも経験する怪我。
ただし 口腔内の傷は、皮膚の傷より圧倒的にリスクが高いことをご存知でしょうか?

理由①:常在菌が桁違いに多い
口腔内には
約700種類以上、数十億を超える細菌
が常に存在しています。
皮膚はガーゼ・テーピングなどで防御できますが、
口の中は24時間むき出し。完全に保護することは不可能。
つまり、抜歯後の創部は 常に細菌の海に晒されている状態です。

見落とされがちな 菌血症 のリスク
抜歯直後の穴(ソケット)は、血餅(かさぶた)によって守られています。
しかし、激しい運動によって血流が増えたり血圧が一時的に上昇すると、
* 血餅の脱落
* 微細な裂開
* 創部への細菌侵入
が起こりやすくなります。

その結果、
→ 菌血症(細菌が血管へ侵入)を起こす可能性がある。

通常は免疫が処理しますが、
激しい運動で免疫が一時的に落ちている状態では、敗血症へ進行するリスクもゼロではありません。
これは、
筋肉痛での無理
とは桁違いの危険性です。

アスリートは痛みに強すぎることでリスクが増す
一般の方は「痛い=まだダメ」と判断しますが、
アスリートはこの感覚が逆に働きます。
* 痛みの閾値が高い
* 多少の腫れや違和感はいつものこと
* 回復に対する自己判断が速すぎる
* トレーニング計画を崩したくない心理
この特性が口腔外科領域では最も危険なパターンです。

オヤアゴ式・抜歯後のリスタート設計
創部の治癒は医学的に次のフェーズで進みます:
1. 1〜3日:血餅の安定フェーズ
 最も動かしてはいけない時期
2. 4〜7日:粘膜修復フェーズ
 見た目は良くても内部は脆い
3. 1〜3週間:骨修復前の準備期
 強度はまだ10〜20%
4. 3ヶ月:骨強度が形成される

アスリートに推奨するいつもの目安は以下です↓
運動再開の推奨ライン
* Day1〜3:完全休息(散歩レベルのみ)
* Day4〜7:低強度(心拍ゾーン1)
 ※ラン不可、バイクはローラーで軽回し程度
* Day8〜10:中強度の手前(ゾーン2)
* Day14〜:ラン再開(短時間・低衝撃)
* Day21〜:通常練習に戻してOK
※実際は抜歯の難易度・切開量・骨削合量で変動します。

まとめ:アスリートほど慎重にが必要
アスリートは身体能力が高いほど、
痛みを過小評価し、「いける」と判断しがちです。
しかし口腔内の手術後だけは例外です。
痛みに強い人ほど、最も危険。
リスタートは競技レベルが高いほど慎重に。

オヤアゴクリニックでは、
アスリートの大会スケジュールやピーキングも考慮しながら、
安全な抜歯時期と復帰計画を一緒に設計しています。
競技を続けるためにも、
たった一つの判断ミスでキャリアを損なわないように、
ぜひご相談ください。



オヤアゴ院長ブログ
https://ameblo.jp/kojima-dental
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監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。

〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会) インプラント認定医
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会