抜歯後に気をつけたいことと、怖い「菌血症」について
こんにちは。東京都中央区銀座5丁目にある【親知らず・顎関節症クリニック銀座】です。
当院は以下の3つに特化した歯科クリニックです。
* 親知らずの抜歯
* 顎関節症の治療
* アスリートのための歯科治療

親知らずやその他の歯の抜歯後は、単に「歯を抜いただけ」と思われがちですが、実はその後の過ごし方や体調管理が非常に重要です。傷口は目に見える部分だけでなく、歯ぐきや骨にまで及んでいるため、ちょっとした不注意で治りが遅れたり、痛みが長引いたり、さらには全身に影響することもあります。
今日は、患者さんからよく質問をいただく「抜歯後の注意点」と、あまり知られていない「菌血症」について詳しくご紹介します。
抜歯後の注意事項
抜歯後の最初の数日間は、治癒のための「ゴールデンタイム」です。この時期をどう過ごすかで、治り方が大きく変わります。特に重要なのは「血の塊(血餅)」を守ること。血餅は自然の絆創膏のような役割を果たし、外部の細菌が入り込むのを防ぎ、組織の修復を助けます。
以下のポイントに注意してください。
1. 強いうがいをしない
出血や違和感が気になるかもしれませんが、強くうがいをすると血餅が流れてしまい、ドライソケット(強い痛みが続く状態)につながる危険があります。
2. ストローやペットボトルの強い吸引を避ける
吸う力によっても血餅は簡単に剥がれてしまいます。スポーツドリンクやジュースも、コップから静かに飲むのがおすすめです。
3. 飲酒・喫煙を控える
アルコールは血流を促進し出血が止まりにくく、タバコは傷の治癒を妨げます。最低でも術後1週間は控えましょう。
4. 処方された薬を必ず服用する
痛み止めや抗生剤は、医師が必要性を判断して処方しています。自己判断で中止すると、感染や痛みの再発につながる恐れがあります。
5. 安静を意識する
激しい運動や入浴は血流を増やし、出血の原因になります。できるだけ静かに過ごしましょう。
自宅で出血したらどうする?
抜歯直後だけでなく、自宅に帰ってからも少量の出血が続くことがあります。これは多くの場合、自然な治癒過程の一部ですが、対応を誤ると治りが遅れることがあります。
出血時の正しい対処法
* 清潔なガーゼを強めにかんで圧迫する
15〜30分程度しっかりかみしめることで、多くの出血は止まります。ガーゼがなければ清潔なハンカチでも代用できます。
* 横にならず、上体を起こして安静にする
横になると血流が集まりやすく、出血が止まりにくくなります。
* 口をゆすぎすぎない
血餅が取れてしまい、かえって出血が長引く原因になります。
すぐに連絡すべきケース
* 圧迫しても1時間以上出血が止まらない
* 出血量が多く、唾を吐くたびに真っ赤な血が混じる
* 強い腫れや痛み、発熱を伴っている
このような場合は自己判断せず、必ずクリニックにご連絡ください。
知っておきたい「菌血症」とは?
抜歯後の合併症のひとつに「菌血症(きんけっしょう)」があります。これは、歯ぐきにできた傷口から細菌が血液中に一時的に入り込む状態を指します。
ほとんどの場合は体の免疫機能で自然に処理されるため大事には至りませんが、特定の持病をお持ちの方や免疫力が低下している方では、菌血症が全身に広がってしまうことがあります。
特に注意が必要なのは以下の方々です。
* 心臓に病気がある方(弁膜症・人工弁など)
* 糖尿病やがん治療中で免疫力が低下している方
* ご高齢の方
菌血症が進行すると、感染性心内膜炎という心臓の内側に細菌が感染する重篤な病気を引き起こすことがあります。これは数週間にわたる入院治療が必要になる場合もあり、命に関わることさえあります。
当院での対応と患者さんへのお願い
当院では、抜歯前に必ず全身の健康状態や既往歴を確認しています。必要に応じて抗生剤の予防投与を行い、菌血症のリスクを最小限に抑えるよう努めています。
患者さんにも、次のような点をご協力いただきたいと考えています。
* 体調の変化を見逃さない
術後に発熱が続く、倦怠感が強い、腫れがどんどん悪化するなどの症状があれば、自己判断せずにすぐにご連絡ください。
* 持病や服薬歴を正確に伝える
「些細なことだから」と隠してしまうと、医師側で適切な予防ができない場合があります。小さなことでも必ず申告してください。
まとめ
抜歯は日常的に行われる処置ですが、その後の過ごし方によって経過は大きく変わります。血餅を守り、安静を意識し、処方薬をきちんと服用することが、最もシンプルで効果的なセルフケアです。
さらに、自宅で出血があったときの正しい対応を知っておくことで、不安なく回復を迎えることができます。
また、「菌血症」という言葉を知っておくことで、万が一の体調変化に早めに気づき、重症化を防ぐことができます。
オヤアゴクリニックでは、抜歯後の不安を少しでも軽減できるよう、全身の健康を考慮した安全な治療を心がけています。どうぞ安心してご相談ください。
オヤアゴ院長ブログ
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監修歯科医師
医療法人社団GRIT 理事長
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長
小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA
- 〔院長略歴〕
- 鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
- 〔所属学会・所属団体〕
- 歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会) インプラント認定医
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会

