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顎関節症の「クリック音」はどこまで治す?本当に治るのか

こんにちは。東京都中央区銀座5丁目にある
【親知らず・顎関節症クリニック銀座(通称:オヤアゴクリニック)】です。
当院は以下の3つに特化した歯科クリニックです。
* 親知らずの抜歯
* 顎関節症の治療
* アスリートのための歯科治療

顎関節症で来院される患者さんの中でも、非常に多い主訴の一つが
「口を開けるとカクカク音が鳴る」というクリック音です。
このクリック音、結論から言うと
必ずしも消すべきものではないというのが現在のスタンスです。

相反性クリック(顎関節症Ⅲ型a)は治りにくいのが現実

顎関節症の中でも、クリック音の代表が
Ⅲ型a(復位性関節円板前方転位=相反性クリック)です。
この状態は、
* 顎の習慣的な偏位(左右どちらかにズレて開く)
* 咬合の変化(噛み合わせのアンバランス)
* 長年の使い方の癖
こうした要素が時間をかけて蓄積した結果として生じる構造的変化です。
つまり何が言いたいかというと、
「最近急に出た症状ではなく、長年かけて作られた状態」
です。

「治療すればすぐ治る」は誤解

よくある誤解として、
* 矯正すれば治る
* 咬合調整すれば治る
* スプリントを入れれば音が消える
という期待がありますが、
これは少し現実とズレています。
クリック音は
関節円板と下顎頭の位置関係という構造の問題なので、
一度ズレたものが完全に元に戻るとは限らない
音だけを消すことは目的として優先度が低い
というのが実際の臨床です。

当院での治療方針

当院ではクリック音そのものよりも、以下を重視しています。
① 痛みの改善
② 開口障害の改善(口が開かない)
③ 開口時の不安定さの改善(途中で引っかかる)
この3つです。
クリック音があっても、
* 痛みがない
* しっかり開く
* 日常生活に支障がない
のであれば、無理に消す対象にはなりません。

実際のアプローチ

治療の中心は以下になります。
■ 顎の使い方の修正(最重要)
* 開口時の偏位を修正するトレーニング
* 自分のズレを認識することが第一歩
■ スプリント療法
* 左右バランスの補正
* 筋緊張の緩和
* 咬合の安定化
ただし重要なのは、
スプリントを入れた=音が消えるではない
という点です。

ガイドラインでも「音」は主目的ではない

日本顎関節学会 の治療指針でも、
* 保存療法(運動療法・生活指導・スプリント)が基本
* 不可逆的な治療(削合・外科)は慎重に
とされており、
クリック音そのものを消すことは主目的とはされていません。

クリック音との向き合い方

クリック音は、
「異常」ではありますが
必ずしも「治療すべき対象」ではありません。
むしろ重要なのは、
* 痛みがあるか
* 開けにくくなっていないか
* 日常生活に支障があるか
です。

最後に

クリック音を気にして来院される方は非常に多いですが、
その多くは顎の動きの癖とバランスの問題です。
そしてそれは、
一瞬で治すものではなく、理解し整えていくもの。
音を消すことに固執するのではなく、
「機能として問題がない状態」を目指す。
それが顎関節症治療の本質です。



オヤアゴ院長ブログ
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監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会) インプラント認定医
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会