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トライアスリートと親知らず抜歯 — 長距離レースを戦う身体を守るために —

2025年12月5日

こんにちは。東京都中央区銀座5丁目にある
【親知らず・顎関節症クリニック銀座(通称:オヤアゴクリニック)】です。
当院は以下の3つに特化した歯科クリニックです。
* 親知らずの抜歯
* 顎関節症の治療
* アスリートのための歯科治療

本日は、Ironmanを主戦場とし、世界最高峰の舞台であるKONAを目標に挑戦し続ける一般アスリートの方が来院されました。
2週間後にはフルマラソンを控えている状況の中、上下の親知らず抜歯をご希望されての受診です。
アスリートにとってトレーニングのブランクは大きな不安材料です。
とはいえ、口腔内の外科処置には常在菌が関わるため、菌血症リスクが一般の外傷より高いことは避けられません。
だからこそ私たちは、
「最短で安全に復帰するための設計」
を緻密に行う必要があります。

この患者さまの親知らずは二根性で太く、しかも手前の歯が弱っているという難しい特徴がありました。
一時は「移植(歯牙移植)」も検討しましたが、CT精査の結果——
* 抜歯窩とサイズ不一致
* 親知らずの二根が湾曲し、分割抜歯が必要な可能性
* 術後安定性が十分に得られない
これらを踏まえ、移植は適応外と判断。
本日は 左上下の親知らず抜歯 を実施しました。

アスリートだからこそ必要な治癒設計
トレーニング強度が高い方ほど、
「このくらいの痛みなら大丈夫だろう」
と早期に再開してしまう傾向があります。
しかしそれは、
血餅の脱落 → ドライソケット → 菌血症リスク上昇
という負の連鎖に繋がりかねません。
そこで今回、次のように復帰スケジュールを提案しました。

術後〜3日目
血餅が安定するまで 完全安静。
心拍を上げない生活が必須。

4日目〜
LT1ゾーン(心拍を上げない有酸素)で軽く再開。
ランでは会話できる強度、バイクでは散歩レベルのケイデンス。

1週間後(抜糸)
腫脹・創部の治癒を確認し、
ここから 通常トレーニングへ段階的に戻す。
身体能力の高さゆえに痛みに強く、回復を早く感じやすいアスリートだからこそ、
「感じる治癒」と「実際の治癒」は別物。
私たちはそのギャップを埋めながら、安全かつ最短の復帰を支える役割を担っています。

まとめ
親知らずの抜歯は、ただの外科処置ではありません。
特にアスリートにおいては、
次のレースをどう迎えるか
という戦略の一部でもあります。
KONAという大舞台を目指す挑戦の途中で、
今回の処置が少しでも前向きな一歩となれば幸いです。
引き続き、治癒経過をしっかりフォローしていきます。



オヤアゴ院長ブログ
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監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。

〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会) インプラント認定医
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会