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親知らずの抜歯で気分が悪くなる?麻酔アレルギーと迷走神経反射の違い

こんにちは。東京都中央区銀座5丁目にある
【親知らず・顎関節症クリニック銀座(通称:オヤアゴクリニック)】です。
当院は以下の3つに特化した歯科クリニックです。
・ 親知らずの抜歯
・顎関節症の治療
・アスリートのための歯科治療

「以前、歯医者で麻酔をしたときに気分が悪くなったことがあります」
初診時、このようにお話しされる患者さんは少なくありません。
中には、
「麻酔アレルギーだと思います」
「麻酔をすると倒れてしまいます」
とおっしゃる方もいます。
もちろん、本当にアレルギー反応を起こしている可能性を否定してはいけません。
しかし、「麻酔をした後に体調が悪くなった=麻酔アレルギー」とは限りません。
実際には、現在歯科で一般的に使用されている局所麻酔薬そのものに対する真のアレルギーは非常に稀です。
では、何が起きているのでしょうか。

抜歯専門クリニックだからこそ多く遭遇する「迷走神経反射」

当院は親知らずを中心とした抜歯などの外科処置を専門的に行っています。
そのため、通常の歯科治療よりも緊張した状態で来院される患者さんが少なくありません。
「親知らずを抜くのが怖い」
「以前の抜歯ですごく痛かった」
「麻酔の注射が苦手」
「今日抜くと思うと昨日から眠れなかった」
こうした状態で来院される方もいらっしゃいます。
そして、この恐怖や緊張そのものが、迷走神経反射を起こすきっかけになることがあります。
当院でも、抜歯前や局所麻酔時に迷走神経反射と思われる症状には比較的よく遭遇します。
特に多いのが、麻酔注射を行った直後です。
麻酔をした直後に、
* 気持ち悪くなる
* 冷や汗が出る
* 顔色が青白くなる
* ふらふらする
* 目の前が暗くなる
* 意識が遠くなる
といった症状が出ます。
患者さんからすると、
「麻酔を打った直後に具合が悪くなった」
わけですから、「麻酔アレルギーだった」と考えるのも自然です。
しかし実際には、麻酔薬に対するアレルギーではなく、注射や抜歯への恐怖・緊張などをきっかけとした迷走神経反射であることがあります。

迷走神経反射では何が起きている?

強い緊張や恐怖、痛みなどがきっかけとなり、自律神経のバランスが急激に変化します。
その結果、心拍数や血圧が低下し、脳への血流が一時的に低下します。
典型的には、
「気分が悪い → 冷や汗が出る → 顔色が悪くなる → 目の前が暗くなる」
というような経過をたどります。
場合によっては、一時的に意識を失うこともあります。
特に抜歯の場合は、処置そのものへの恐怖に加えて、睡眠不足や空腹などが重なることもあります。
そのため私たちは、麻酔をすることだけでなく、麻酔をする前の患者さんの状態を見ることも非常に重要だと考えています。

本当のアレルギーとの違いは?

一方、本当のアレルギー反応では、
* 全身に蕁麻疹が出る
* 皮膚が赤くなる、痒くなる
* 唇や舌、喉などが腫れる
* ゼーゼーする
* 呼吸が苦しくなる
* 急激に全身状態が悪化する
といった症状がみられることがあります。
特に呼吸困難や喉の腫れ、血圧低下などを伴うアナフィラキシーは緊急対応が必要です。
つまり、
「冷や汗が出て、顔が青白くなり、意識が遠くなった」
という場合と、
「蕁麻疹が出て、喉が腫れ、呼吸が苦しくなった」
という場合では、考えるべき原因がまったく異なります。

「心臓がバクバクした」はアドレナリンの影響かもしれません

もう一つよく聞くのが、
「麻酔をしたら急に心臓がバクバクした」
という経験です。
歯科で使用する局所麻酔薬には、麻酔効果を持続させ、出血を抑えるためにアドレナリンが含まれているものがあります。
その影響や強い緊張によって、
* 動悸
* 心拍数の増加
* 手の震え
* 発汗
* 落ち着かない感じ
などを感じることがあります。
これも「麻酔が合わなかった」と思われやすい反応ですが、アレルギーとは異なります。

大切なのは「麻酔で具合が悪くなった」の中身

私たちが診察時に重要視しているのは、
「麻酔で具合が悪くなったことがあります」だけで終わらせないことです。
いつ起きたのか。
麻酔をして何分後だったのか。
冷や汗は出たのか。
顔色はどうだったのか。
動悸だったのか。
蕁麻疹は出たのか。
呼吸は苦しくなかったのか。
意識を失ったのか。
こうした情報を一つずつ確認すると、「麻酔アレルギー」と思っていたものが、実際には迷走神経反射だった可能性が見えてくることがあります。
もちろん、過去のエピソードだけですべてを断定することはできません。
だからこそ、何が起きたのかを丁寧に聞き取ることが重要です。

過去に気分が悪くなったから、抜歯できないわけではありません

親知らずの抜歯では、基本的に局所麻酔が必要です。
過去に麻酔後の体調不良を経験していると、
「また倒れるのではないか」
「麻酔をして大丈夫なのか」
と不安になるのは当然だと思います。
しかし、迷走神経反射が疑われる場合には、最初から診療台を倒した状態で処置を行う、体調を確認しながらゆっくり麻酔を行うなど、事前にできる対策があります。
一方、蕁麻疹や呼吸困難など本当のアレルギーを疑う既往がある場合には、必要に応じて医科での精査を検討します。
抜歯専門クリニックでは、歯を抜く技術だけではなく、「怖い状態で来院された患者さんを、どう安全に抜歯まで導くか」も外科治療の一部だと考えています。
「昔、歯医者の麻酔で気分が悪くなった」
そんな経験がある方こそ、予約時や診察時にぜひお伝えください。
麻酔ができる・できないを最初から決めるのではなく、まずはその時に何が起きたのかを一緒に整理することから始めます。



オヤアゴ院長ブログ
https://ameblo.jp/kojima-dental
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監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会) インプラント認定医
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会