顎関節症にマウスピース(スプリント)は本当に効くの?
こんにちは。東京都中央区銀座5丁目にある
【親知らず・顎関節症クリニック銀座(通称:オヤアゴクリニック)】です。
当院は以下の3つに特化した歯科クリニックです。
* 親知らずの抜歯
* 顎関節症の治療
* アスリートのための歯科治療
「顎関節症なのでマウスピースを作りましょう。」
歯科医院でこのように説明を受けたことがある方は多いのではないでしょうか。
では実際に、スプリント(マウスピース)は顎関節症を治す治療なのでしょうか。

結論から言うと、現在の日本顎関節学会のガイドラインでは、スプリント単独で高い治療効果が証明されているわけではありません。
2023年に改訂された日本顎関節学会の診療ガイドラインでは、顎関節症の初期治療として自己開口訓練とスタビリゼーションスプリントは「弱い推奨」となっています。つまり、「使用してもよい治療」ではありますが、「必ず行うべき治療」という位置付けではありません。エビデンスの確実性も高くはないことが示されています。
しかし、だからといってスプリントに意味がないというわけではありません。
私たちは、適切な目的で使用することで非常に有効になるケースを多く経験しています。
① 顎の位置(顎位)を安定させる
近年、とても増えているのが矯正治療後に顎関節症を発症する患者さんです。
特にマウスピース矯正では、歯はきれいに並んでも、
「左右で当たり方が違う」
「奥歯が均等に噛めない」
「どこで噛めばいいのか分からない」
という状態になることがあります。
咬み合わせが不安定になると、下顎は無意識に「噛みやすい位置」を探し続けます。
この状態が続くと、顎関節や咀嚼筋に余計な負担がかかり、痛みや違和感につながることがあります。
そのような場合には、咬合を均等に接触させたスタビリゼーションスプリントを装着することで、顎位が安定し、関節や筋肉への負担が軽減するケースを少なくありません。
もちろん全員に当てはまるわけではありませんが、原因が咬合の不安定性にある患者さんでは非常に効果を実感することがあります。
② TCH(歯列接触癖)に気付くための装置
もう一つ、私たちが重要視しているのがTCH(Tooth Contacting Habit:歯列接触癖)です。
本来、上下の歯は食事や会話以外では接触していません。
ところが顎関節症の患者さんでは、日中ずっと軽く歯を接触させ続けている方が非常に多くみられます。
厄介なのは、この癖は本人が自覚していないことです。
「意識しています。」
「気を付けています。」
そうおっしゃる方でも、無意識のうちに何十回、何百回と歯を接触させています。
そこでスプリントを装着すると、
「あ、今噛んでいた。」
「また歯が触れている。」
ということに気付きやすくなります。
つまり、スプリントは治療器具であるだけでなく、自分の癖を教えてくれるセンサーとしても働くのです。
この「気付き」が増えることで、TCHを減らし、筋肉や顎関節への負担を軽減できる患者さんも少なくありません。
スプリントは「入れれば治る装置」ではない
スプリントは万能ではありません。
・どのような顎関節症なのか
・筋肉が原因なのか
・関節が原因なのか
・咬み合わせが影響しているのか
・TCHがあるのか
これらを見極めた上で使用して初めて、本来の効果を発揮します。
顎関節症は一つの病気ではなく、さまざまな原因が重なって起こる症候群です。
だからこそ、「全員に同じマウスピースを入れる」という治療では十分とは言えません。
オヤアゴクリニックでは、CTや咬合の診査、生活習慣の確認まで含めて原因を分析し、一人ひとりに適した治療をご提案しています。
「マウスピースを使っているのに改善しない。」
「矯正後から顎の調子がおかしい。」
そのようなお悩みがある方は、一度原因を詳しく調べてみることをおすすめします。
オヤアゴ院長ブログ
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監修歯科医師
医療法人社団GRIT 理事長
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長
小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA
- 〔院長略歴〕
- 鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
- 〔所属学会・所属団体〕
- 歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会) インプラント認定医
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会

