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顎関節症における「咀嚼筋痛障害」とは?

こんにちは。東京都中央区銀座5丁目にある
【親知らず・顎関節症クリニック銀座(通称:オヤアゴクリニック)】です。
当院は以下の3つに特化した歯科クリニックです。
* 親知らずの抜歯
* 顎関節症の治療
* アスリートのための歯科治療

本日は、顎関節症の中でも非常に多く認める「咀嚼筋痛障害(そしゃくきんつうしょうがい)」についてお話しします。
顎関節症というと、「関節がズレている」「口が開かない」「カクカク音が鳴る」といったイメージを持たれる方が多いですが、実際には“筋肉由来”の痛みが原因となっているケースは非常に多く存在します。
特に現代は、デスクワーク・スマートフォン・ストレス環境などにより、無意識の食いしばり(TCH:Tooth Contacting Habit)を抱えている方が増えています。

咀嚼筋痛障害とは?

咀嚼筋とは、食事や会話の際に使用する筋肉の総称です。
代表的なものとして、
* 咬筋(こうきん)
* 側頭筋(そくとうきん)
* 内側翼突筋
* 外側翼突筋
などがあります。
この筋肉群が過緊張を起こし、炎症や疲労状態となることで、
* 顎がだるい
* 咬むと痛い
* 朝起きると顎が重い
* こめかみが痛い
* 頬が張る
* 首や肩まで凝る
* 顔が突っ張る感じがする
といった症状が出現します。

「顎の病気」というより、顎周囲の筋肉のオーバーワークと考えるとイメージしやすいかもしれません。
マラソン後に脚が張るように、咀嚼筋も使い過ぎれば悲鳴を上げます。
ただし厄介なのは、脚と違って顎の筋肉は寝ている間も無意識に働いてしまうことです。

顎関節自体に異常がないことも多い

咀嚼筋痛障害では、画像検査上、関節に大きな異常を認めないことも少なくありません。
開口量も正常範囲で、
* 口は開く
* 関節音も少ない
* レントゲンやCTでも大きな異常がない
それでも強い痛みや違和感を訴えるケースがあります。
そのため、患者様自身も「原因が分からず不安になる」ことが非常に多い疾患です。
実際に、
* 脳神経外科
* 神経内科
* 耳鼻科
* 整形外科
などを受診し、「特に異常なし」と言われた後に、顎関節症由来の筋障害として来院される患者様も少なくありません。

実際のケース

先日来院された患者様も、
* 咬筋周辺の強い疼痛
* 顔の突っ張り感
* 首や肩の著しい張り感
を主訴に来院されました。
普段から治療院で鍼治療を受けているとのことで、慢性的な筋緊張が疑われる状態でした。
また、顔面痛症状から神経内科も受診され、顔面神経麻痺などの精査も行われていましたが、大きな異常は認めなかったとのことでした。
初診時に顔面領域を触診すると、咬筋・側頭筋ともに著しい緊張状態。
一方で、
* 開口量
* 開口時偏位
* 関節雑音
などには大きな異常を認めませんでした。
このようなケースでは、関節そのものというより、筋肉の異常緊張が主体となっている可能性が高くなります。

治療の基本は「理学療法」

咀嚼筋痛障害の基本治療は、理学療法が中心となります。
具体的には、
* 開口訓練
* マッサージ
* 温罨法
* 姿勢改善
* 食いしばり習癖の改善
* TCH是正指導
などを行います。
また、症状が強い場合や、習慣的な食いしばりが継続している場合には、スプリント(マウスピース)を作製し、筋負担の軽減を図ることもあります。

ボトックス注射という選択肢

さらに症状が強い場合や、筋緊張が高度な場合には、ボトックス注射を選択することがあります。
本来は保存療法を段階的に行い、その後に適応を検討していく流れが一般的です。
しかし、
* 強い筋肥大
* 慢性的な食いしばり
* 強い疼痛
* 長期間改善しないケース
では、初期段階からボトックスを選択することもあります。
今回の患者様も、症状の強さや筋緊張の程度を踏まえ、十分に説明を行った上で、ボトックス注射を優先して実施する方針となりました。
ボトックスは「魔法の治療」ではありません。
ただし、過剰収縮している筋肉を一度リセットすることで、慢性的な緊張ループを断ち切るきっかけになることがあります。

最後に

顎関節症というと、「関節の病気」と思われがちですが、実際には筋肉由来の問題が背景にあるケースも非常に多く存在します。
特に、
* 朝起きると顎が疲れている
* 頬が張る
* 食いしばりを指摘された
* 首肩こりが強い
* 顔が重だるい
といった症状がある方は、咀嚼筋痛障害が関与している可能性があります。
顎関節症は、単純に「口を開ける病気」ではなく、生活習慣・ストレス・筋機能まで含めて診ていく必要がある疾患です。
気になる症状がある方は、一度ご相談ください。



オヤアゴ院長ブログ
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監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会) インプラント認定医
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会