早期抜歯が望ましい親知らずとは
こんにちは。東京都中央区銀座5丁目にある
【親知らず・顎関節症クリニック銀座(通称:オヤアゴクリニック)】です。
当院は以下の3つに特化した歯科クリニックです。
* 親知らずの抜歯
* 顎関節症の治療
* アスリートのための歯科治療
親知らずは、すべてがすぐに抜歯対象になるわけではありません。
しかし中には、症状が出る前、あるいは大きな問題になる前に抜歯を検討した方がよい親知らずがあります。
その代表例が、今回のような
水平埋伏している親知らずが、少しだけ口腔内に萌出してきているケース
です。

レントゲン上では、下顎の親知らずが横向きに近い状態で埋まっており、手前の第二大臼歯に向かって倒れ込むような位置にあります。完全に骨の中に埋まっているわけではなく、少しずつ萌出してきている状態です。
この「少し出てきている」という状態が、実は厄介です。
完全に骨の中に埋まっている場合は、長期間問題を起こさないこともあります。
一方で、歯の一部だけが口腔内に出てくると、歯ぐきとの間に深い隙間ができ、そこに汚れや細菌が入り込みやすくなります。
その結果、
* 親知らず周囲の炎症
* 腫れや痛み
* 口が開きにくくなる開口障害
* 手前の第二大臼歯の虫歯
* 第二大臼歯の歯根吸収
* 歯周ポケットの悪化
* 繰り返す智歯周囲炎
などが起こる可能性があります。
特に問題なのは、親知らずそのものよりも、手前の大切な奥歯を悪くしてしまうことです。
親知らずは抜歯すれば解決できることが多いですが、手前の第二大臼歯が虫歯になったり、歯周病的に骨が失われたりすると、その歯の寿命に大きく関わります。
つまり、親知らずを放置するリスクは、
「親知らずが痛くなるかどうか」だけではありません。
隣の一生使うべき奥歯を守れるかどうか
ここが非常に重要です。
なぜ4本抜歯を検討するのか
親知らずが4本ある場合、1本だけが症状を出していても、状況によっては4本の抜歯を検討することがあります。
理由はいくつかあります。
まず、上下の親知らずは噛み合わせの関係があります。
下の親知らずを抜いたあと、上の親知らずが残っていると、噛み合う相手を失った上の親知らずが伸びてくることがあります。これを挺出といいます。
挺出した親知らずは、頬の粘膜を傷つけたり、清掃不良を起こしたり、将来的なトラブルの原因になります。
また、片側だけ抜歯して反対側を残しておくと、数年後に反対側が腫れる、痛む、虫歯になるということも少なくありません。
親知らずは、症状が出てから抜くと、炎症が強く麻酔が効きにくかったり、腫れや痛みが長引いたりすることがあります。
そのため、若く、骨が柔らかく、回復力がある時期に、計画的に抜歯しておく方が身体への負担が少ない場合があります。
特に今回のように、
横向きに埋まっている
一部が萌出している
手前の歯に接している
清掃が難しい位置にある
このような親知らずは、将来的に高確率で問題を起こす可能性があります。
痛くない親知らずほど、判断が難しい
患者さんからよく聞かれるのが、
「今は痛くないのですが、抜いた方がいいですか?」
という質問です。
答えは、痛みだけでは判断できません。
親知らずの抜歯判断で大切なのは、
今痛いかどうかではなく、将来どのようなリスクを持っているか
です。
痛みは、問題が表面化したサインにすぎません。
その前から、虫歯や歯周ポケット、隣の歯への影響は静かに進んでいることがあります。
水面下で進む変化は、レントゲンやCTで確認して初めて見えてきます。
親知らずは、まさに「沈黙しているうちに地形を変える歯」とも言えます。
まとめ
早期抜歯を検討した方がよい親知らずには、特徴があります。
横向きに埋まっている親知らず。
一部だけ萌出している親知らず。
手前の歯に強く接している親知らず。
清掃が難しく、炎症を繰り返しやすい親知らず。
上下左右のバランスから、将来的にトラブルを起こしやすい親知らず。
これらは、症状が出る前に抜歯を検討する価値があります。
親知らずの抜歯は、単に「痛い歯を抜く処置」ではありません。
将来の虫歯、歯周病、炎症、そして大切な第二大臼歯を守るための予防的な選択でもあります。
親知らずがある方は、一度レントゲンやCTで位置を確認し、今抜くべきか、経過観察でよいのかを判断することをおすすめします。
親知らずは、放置して静かに待つ歯ではなく、
未来のリスクを読んで、先に手を打つべき歯であることがあります。
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監修歯科医師
医療法人社団GRIT 理事長
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長
小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA
- 〔院長略歴〕
- 鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
- 〔所属学会・所属団体〕
- 歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会) インプラント認定医
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会

