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痛みで口が開かない? 原因は「顎関節」ではなく親知らずだったケース

「口が開かない=顎関節症」と思われる方は非常に多いです。
もちろん顎関節症によって開口障害(口が開けづらい状態)が起こることはありますが、実際には別の原因が隠れているケースも少なくありません。
今回ご紹介するのは、親知らずが原因で強い炎症を起こし、口が開かなくなってしまったケースです。

原因は出てきた親知らず

今回問題となったのは、上顎の親知らず。
親知らずが挺出(ていしゅつ:歯が伸びるように出てくること)してきたことで、頬の粘膜を繰り返し噛み込んでしまっていました。
本来、歯は食べ物を噛むためのものですが、位置や噛み合わせによっては粘膜を傷つける武器のようになってしまうことがあります。

特に上顎の親知らずは、下の歯が存在しなかったり、噛み合わせがズレている場合に伸びてきやすく、頬粘膜を巻き込むように咬傷(こうしょう)を繰り返します。

最初は「口内炎っぽい違和感」程度でも、
・頬の腫れ
・強い接触痛
・飲食時の痛み
・口が開けづらい
といった症状に発展することがあります。
炎症が広がると「口が開かない」
今回のケースでは、頬粘膜の炎症が周囲へ波及し、開口障害を生じていました。
口を開ける時には、頬や咀嚼筋(そしゃくきん)、顎周囲の組織が大きく動きます。
そのため炎症が強い状態では、動かすだけで痛みが出てしまい、結果として口が開かなくなります。
「顎が悪いのかな?」と思って受診される方でも、実際には原因が親知らず周囲の炎症だったということは珍しくありません。

炎症が強い時にすぐ抜歯するのか?

では、このようなケースで即日抜歯を行うのか。
ここは非常に重要なポイントです。
親知らず抜歯は原因除去として有効ですが、炎症が強い状態では、
・麻酔が効きづらい
・処置時の疼痛が強い
・出血や腫脹が増えやすい
・開口障害で器具操作が難しい
といった問題が起こることがあります。

そのため、
「今すぐ抜歯するべきか」
「まず炎症を落ち着かせるべきか」
を状態によって判断する必要があります。
今回はまず消炎を優先
今回は炎症の程度が比較的強かったため、まずは消炎処置を優先しました。
具体的には、
・親知らず部分の咬合調整
・周囲の洗浄
・消炎処置
を行い、まずは粘膜への刺激を減らす対応を実施。
症状が落ち着いた後に、改めて親知らず抜歯を行う方針となりました。

「口が開かない=顎関節症」とは限らない

開口障害の原因は、
・顎関節症
・親知らず周囲炎
・粘膜炎症
・感染
・筋肉由来の疼痛
など様々です。
特に親知らずは、痛みの原因が分かりづらいことも多く、気づかないうちに周囲組織へ炎症を広げていることがあります。
「最近口が開きづらい」
「奥歯のあたりが頬に当たる」
「頬を何度も噛んでしまう」
そのような症状がある場合は、一度親知らずの状態を確認することをおすすめします。



オヤアゴ院長ブログ
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監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会) インプラント認定医
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会