親知らず抜歯中に残った歯根はどうする?放置していいケース・抜くべきケース
目次
こんにちは。東京都中央区銀座5丁目にある
【親知らず・顎関節症クリニック銀座(通称:オヤアゴクリニック)】です。
当院は以下の3つに特化した歯科クリニックです。
* 親知らずの抜歯
* 顎関節症の治療
* アスリートのための歯科治療
本日は「他院での親知らず抜歯中に残ってしまった歯根の抜歯」について解説します。
実際の臨床では、
「抜歯途中で歯が割れてしまい、一部が残っている」
というケースは決して珍しくありません。
今回は患者様ご本人からのご相談で、
約1ヶ月前に他院にて右下の親知らずを抜歯中に歯根破折が起こり、
処置に約2時間かかったものの抜歯困難となり中断。
そのまま経過観察となっていたケースです。


抜歯後1ヶ月経過…そのままで大丈夫?
一見すると「痛みがなければ問題ない」と判断されることもありますが、
今回のケースでは抜歯部位に軽度の治癒不全を認めました。
つまり、
・完全に治りきっていない
・局所環境が不安定
という状態です。
患者様としても「やはり気になる」「しっかり取りきりたい」という希望があり、
当院にて歯根の摘出を行いました。
なぜ親知らずは歯根破折しやすいのか?
親知らずの歯根は非常に個体差が大きく、
・強く湾曲している
・根が開いている(分岐)
・骨と癒着している
といった特徴を持つことがあります。
このため、抜歯中に歯冠と歯根が分離し、
歯根だけが残る(歯根破折)ことは一定頻度で起こります。
残った歯根は「必ず抜くべき」ではない
ここは重要なポイントです。
すべてのケースで「必ず取り切る」が正解ではありません。
判断基準としては主に以下です。
■ 残しても良い可能性があるケース
・歯根が数mmと小さい
・感染兆候がない
・除去すると侵襲が大きくなる
・下歯槽神経に近接している
このような場合は、
無理に取ることで神経損傷などのリスクが上がるため、あえて残す選択も合理的です。
一方で「抜くべき歯根」とは?
今回のケースはこちらに該当します。
・歯根が大きく残っている
・完全に異物として残存している
・治癒が遅れている
・将来的な感染源となるリスクが高い
このような場合は、
長期的な安全性を考え、摘出する方が望ましいと判断します。
「放置=安全」ではない
歯根が残っている状態は、
短期的に問題がなくても
・感染の再燃
・腫脹や痛みの出現
・骨内での慢性炎症
といったリスクを内包しています。
特に「丸ごと残っている歯根」は、
いわば“未処理の感染源予備軍”と考えるべきです。
今回のまとめ
今回のケースでは、
・歯根が比較的大きく残存
・治癒不全あり
・将来的なリスクが高い
という判断から摘出を行い、
患者様も「しっかり取れて安心した」とのことでした。
親知らずの抜歯後に違和感がある方へ
・抜歯後なかなか治らない
・違和感が続いている
・他院で途中中断と言われた
このような場合は、
一度専門的な評価を受けることをおすすめします。
状態によっては「そのままで良いケース」と「対応すべきケース」が明確に分かれます。
オヤアゴ院長ブログ
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監修歯科医師
医療法人社団GRIT 理事長
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長
小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA
- 〔院長略歴〕
- 鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
- 〔所属学会・所属団体〕
- 歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会) インプラント認定医
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会

