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トライアスリートに対するインプラント治療 — 抜歯即時インプラントという選択 —

こんにちは。東京都中央区銀座5丁目にある
【親知らず・顎関節症クリニック銀座(通称:オヤアゴクリニック)】です。
当院は以下の3つに特化した歯科クリニックです。
* 親知らずの抜歯
* 顎関節症の治療
* アスリートのための歯科治療

本日は、トライアスリートの患者様に対して行ったインプラント治療について解説します。
先日、「上の前歯を破折してしまった」とのことで来院された患者様。競技中のアクシデントではないですが食いしばる力の強いアスリートにはよくあること。審美的・機能的にも早期回復が求められるケースでした。
前歯の欠損に対する治療選択肢としては、一般的に以下があります。
* ブリッジ
* 入れ歯
* インプラント
この中で、特にトライアスロンのような持久系アスリートにおいて重要になるのは
「長期的な安定性」と「競技に支障をきたさないこと」です。
取り外し式の義歯は違和感や脱落リスクがあり、ブリッジは隣在歯への負担が避けられない。
そのため今回のケースでは、インプラント治療を第一選択としました。

抜歯即時インプラントとは

今回検討したのは「抜歯即時インプラント」です。
これは、
歯を抜いたその日にインプラント体(フィクスチャー)を埋入する方法です。
通常は抜歯後に数ヶ月待ってから埋入しますが、即時埋入を行うことで
* 歯がない期間を回避できる
* 治療期間の短縮
* 骨吸収の抑制
といったメリットがあります。
アスリートにとっては特に、
歯がない時間を作らないことは心理的にも競技パフォーマンス的にも重要な要素です。

今回あえて「2回法」を選択した理由

即時インプラントでは、そのまま仮歯まで装着するケース(即時荷重)もありますが、
今回は2回法(埋入後に一度完全に閉鎖する方法)を選択しました。
理由は明確です。
* 抜歯窩とインプラント体の間にギャップが存在
* 初期固定(埋入時の安定性)は良好だが完全ではない
* 感染リスクを極限まで下げたい
このような条件下では、
無理に荷重をかけるよりも、生体の治癒を優先した方が長期的成功率は高いと判断します。
そのため今回は
* インプラント埋入
* 完全閉鎖
* 仮歯は隣在歯支持で対応
という設計にしています。

上顎前歯インプラントで最も重要なポイント

上の前歯部でのインプラント治療は、機能だけでなく審美性が極めて重要です。
その中核になるのが
唇側骨(前歯の表側の骨)
この骨が失われると
* 歯肉退縮(歯ぐきが下がる)
* インプラントの露出リスク
* 不自然な補綴形態(歯が長く見える)
といった問題が発生します。
特に問題なのは、
一度失われた骨は自然には戻らないという点です。

抜歯即時の本質的メリット

抜歯後に時間を空けると、骨は生理的に吸収していきます。
これは避けられない現象です。
しかし抜歯即時インプラントでは
* 骨のボリュームを維持したまま
* 理想的なポジションに
* 早期にインプラントを埋入できる
つまり
「骨があるうちに最適解を打つ」戦略です。
今回も
* 外傷を最小限に抑えた抜歯
* 唇側骨を温存
* 適切なポジショニングでの埋入
を徹底しています。

経過と今後の流れ

* 初期固定:良好
* 感染徴候:なし
* 治癒経過:順調
今後は
1. 約3ヶ月のオッセオインテグレーション期間
2. 二次手術
3. 最終補綴
という流れで進行予定です。

まとめ

トライアスリートのように「身体を使う」ことが前提の方にとって、
歯科治療もまたパフォーマンスの一部です。
今回のポイントは以下です。
* 長期安定性を最優先 → インプラント選択
* ダウンタイム最小化 → 抜歯即時埋入
* 成功率担保 → 無理な即時荷重は避ける
* 審美性確保 → 唇側骨の徹底保護
治療は「早く終わること」だけが正解ではありません。
“最も合理的に回復する設計”こそが最適解です。
アスリートに限らず、
「できるだけ早く、しかし確実に治したい」方にとって
抜歯即時インプラントは非常に有効な選択肢となります。



オヤアゴ院長ブログ
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監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会) インプラント認定医
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会