正しい顎の定位置とは? ― 噛み合わせの土台となる「顎関節のポジション」
目次
こんにちは。東京都中央区銀座5丁目にある
【親知らず・顎関節症クリニック銀座(通称:オヤアゴクリニック)】です。
当院は以下の3つに特化した歯科クリニックです。
* 親知らずの抜歯
* 顎関節症の治療
* アスリートのための歯科治療
「急に噛み合わせがズレた気がする」
「口を開けると違和感や痛みがある」
こうした症状の背景には、顎関節の位置のズレが関与しているケースが少なくありません。
今回は、顎関節における「正しい定位置」について、実際の症例を交えて解説します。
■ 顎関節を構成する4つの要素
顎関節は、以下の4つの要素で構成されています。
* 下顎頭(かがくとう)
* 関節窩(かんせつか)
* 関節結節(かんせつけっせつ)
* 関節円板(かんせつえんばん)
これらが連動して動くことで、スムーズな開閉口や噛み合わせが成立しています。
では、「正しい位置関係」とはどのような状態を指すのでしょうか。
■ 正常な顎のポジションとは

レントゲンでは関節円板自体は描出されませんが、
下顎頭が関節窩内に適切に収まっている状態が正常な位置関係とされています。
この状態では、
* 左右のバランスが取れている
* 開閉口がスムーズ
* 噛み合わせが安定している
といった特徴があります。
■ 顎の位置がズレたケース


こちらのレントゲンでは、
右側の下顎頭が関節窩に収まらず前方へ偏位しているのが確認できます。
この患者様は外傷後に、
* 噛み合わせが合わない
* 顎に違和感・痛みがある
といった症状を訴えて来院されました。
■ なぜ顎の位置がズレるのか?
今回のケースでは、
関節円板が後方へ転位し、下顎頭の正常な位置への復位を妨げていた可能性
が考えられます。
通常、関節円板はクッションのような役割を果たし、
下顎頭の動きをスムーズにガイドします。
しかしこの円板がズレると、
* 下顎頭の動きが制限される
* 本来の位置に戻れなくなる
* 結果として噛み合わせが変わる
といった連鎖が起こります。
■ 治療:マニピュレーションによる整復
この患者様は、症状発症から約3ヶ月経過していましたが、
麻酔下でのマニピュレーション(徒手整復)を行うことで、
顎の位置を正常なポジションへ戻すことができました。
その結果、
* 咬合(噛み合わせ)の回復
* 痛みの改善
が確認されました。
■ 「時間」が予後を左右する
重要なのはここです。
顎のズレは、早期に対応するほど元に戻しやすい。
時間が経過すると、
* 周囲組織が適応してしまう
* 筋肉の緊張バランスが固定化する
* 関節円板の位置異常が慢性化する
結果として、整復が難しくなる傾向があります。
■ 噛み合わせは「顎の位置」に依存する
多くの方が見落としがちですが、
噛み合わせは歯だけで決まるものではありません。
むしろ本質は、
「顎の定位置があって初めて、その上に噛み合わせが成立する」
という構造です。
■ こんな症状は要注意
* 歯を触っていないのに噛み合わせが変わった
* 口を開けにくい、開けると痛い
* 顎の位置がズレた感じがする
* 外傷後から違和感が続いている
これらは、顎関節の位置異常のサインである可能性があります。
■ まとめ
顎には「本来あるべき定位置」が存在します。
そしてその位置が崩れると、噛み合わせや機能に大きく影響します。
違和感を「そのうち治るだろう」と放置すると、
回復のハードルは確実に上がります。
顎関節の違和感や噛み合わせの変化を感じた場合は、早めの評価と介入が重要です。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
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監修歯科医師
医療法人社団GRIT 理事長
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長
小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA
- 〔院長略歴〕
- 鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
- 〔所属学会・所属団体〕
- 歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会) インプラント認定医
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会

