Blogブログ

【下歯槽神経と親知らず】 ― 下顎の埋伏歯を抜歯する前に知ってほしいこと ―

2025年11月29日

こんにちは。東京都中央区銀座5丁目にある
【親知らず・顎関節症クリニック銀座(通称:オヤアゴクリニック)】です。
当院は以下の3つに特化した歯科クリニックです。
* 親知らずの抜歯
* 顎関節症の治療
* アスリートのための歯科治療

下顎の親知らず(特に水平埋伏・深在埋伏)を抜歯するとき、最も注意深く評価するのが 「下歯槽神経(かしそうしんけい)」 です。CT撮影でいつも精密に位置関係を確認していますが、
実はこの神経について患者さんが誤解している点が1つだけあります。
それは…
「麻痺が出たら笑えなくなるんですか?」
という顔面神経との混同です。
これは全く別の神経です。
今日はその不安をしっかり解消できるようにまとめました。

下歯槽神経とは?
→ 下くちびる・歯茎・下顎骨の【知覚】を司る神経
下歯槽神経は、下顎の骨の中をトンネル状に走行し、
・下顎の歯
・下くちびる
・オトガイ(アゴ先)
に感覚(しびれ・触った感覚・温冷)を伝えています。
つまり、
「動かす神経」ではなく、感じる神経
です。

顔面神経とは全く別物
顔面神経は
・笑う
・口角を上げる
・目を閉じる
など、表情筋を動かす運動神経。
つまり、
下歯槽神経に一時的な麻痺が起きても、
表情は変わりません。笑顔が作れなくなることはありません。
不安を抱いていた方は、まずここが一番大事なポイントです。

CTで確認していること
オヤアゴクリニックでは親知らず抜歯の前に必ずCTで以下を確認します。
・神経と歯根の距離
・神経管の位置(舌側/頬側/間に挟まれているなど)
・歯根の形態(湾曲・複根など)
・神経管の皮質骨の厚み
これらを把握することで、
神経損傷のリスクを極力下げた安全なアプローチが可能になります。

もし知覚の鈍さが出た場合(しびれ・違和感)
一時的な知覚低下は、0.4〜6%程度の頻度で報告があります。
ほとんどは 数週間〜数ヶ月で自然回復。
神経自体が切れていなければ回復する傾向にあります。

主な治療と経過
・ビタミンB12(末梢神経の修復促進)
・低周波治療・マッサージ
・炎症を抑える薬
・定期的な知覚検査
神経はゆっくり回復する組織で、
月単位で改善していきます。
完全断裂の場合は外科的処置を検討しますが、親知らずの抜歯でその状態になることは極めて稀です。

まとめ
* 下歯槽神経は 知覚神経
* 麻痺が起きても 笑えなくなることはない
* 顔面神経とは完全に別
* CTで精密に計測することで安全に抜歯できる
* 万が一しびれが出ても多くは自然回復
「しびれ=顔が動かなくなる」
この誤解を持つ方は非常に多いですが、
親知らずの抜歯におけるポイントは 感覚の神経 だということ。
—— この正しい理解が、余計な不安を消す一番の薬になります。
本日も、安心して治療を受けていただけるよう丁寧に診療いたします。



オヤアゴ院長ブログ
https://ameblo.jp/kojima-dental
ご相談・ご予約は公式HPからどうぞ
親知らず・顎関節症クリニック銀座 公式サイト
https://ginza-oralsurgery.com/
無料LINE相談も実施中(予約対応もできます)
https://lin.ee/Bz8QkWi

監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。

〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会) インプラント認定医
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会