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口が開かない!顎が開かない場合に鑑別すべきことと原因について

2025年10月25日

こんにちは。東京都中央区銀座5丁目にある
【親知らず・顎関節症クリニック銀座(通称:オヤアゴクリニック)】です。
当院は以下の3つに特化した歯科クリニックです。
* 親知らずの抜歯
* 顎関節症の治療
* アスリートのための歯科治療

起床時から「口が開かない」という異変
今朝、ふと「口があまり開かないな」と感じたことはありませんか?
起床直後、ふだんならスムーズに動くはずの顎が「かたく」「ひっかかる」ように感じることがあります。
実際に、
起床時から口が開かなくなった。ただ自力で開けようと思えば開けられる。
というケースは、当院でも少なくありません。
このような場合、考えられる原因はひとつではありません。
顎関節症の中でもⅠ型(咀嚼筋障害)であることが多いのですが、
ほかにもいくつかの病態を鑑別する必要があります。

開口制限が起こる主な鑑別疾患
① 顎関節症(Ⅰ型〜Ⅲ型)
顎関節症は、顎の関節・咀嚼筋・靭帯・関節円板などの異常によって起こります。
特にⅠ型では「筋肉のこわばり」が原因で、起床時に顎が重く感じたり、動かしにくくなったりします。
Ⅱ型・Ⅲ型になると、関節包や円板の障害が進行し、「痛み」や「クリック音」「ロック感」が強く出るようになります。

② クローズドロック(関節円板前方転位・非復位)
関節円板が前方にずれたまま戻らず、下顎頭の動きを物理的に妨げてしまう状態です。
突然「口が開かなくなった」「指2本しか入らない」「開けると痛い」といった症状が特徴です。
放置すると開口障害が固定化し、治療が長引くこともあります。

③ 顎関節強直症
関節や筋・腱膜が癒着または硬化してしまい、顎の動きが物理的に制限される状態です。
「硬くて全く動かない」「強く押しても開かない」などの硬性開口障害がみられます。
外傷や炎症が原因で起こることが多い疾患です。

④ その他(外傷・骨折・腫瘍など)
顎関節やその周囲の炎症、骨折、腫瘍などが原因で開口制限が起こる場合もあります。
特に外傷後の急な開口障害や、片側の腫れを伴う場合には、専門的な検査が必要になります。

今回の症例:起床時から開かない → 顎関節症Ⅰ型と診断
今回の患者様は、
「朝起きたら口がいつもより開きづらい」
という主訴で来院されました。
・自力では開けられるが、スムーズではない
・外傷や発熱はなし
・顎に軽度の圧痛があり、開口量は40mm以下
これらの所見から、咀嚼筋障害を主徴とする顎関節症Ⅰ型と診断しました。
クローズドロックや強直症も鑑別に挙げましたが、硬い抵抗や急激なロック感はなく、
筋肉性の障害と判断しました。

なぜ起こるのか?考えられる主な原因
・睡眠中の「くいしばり」や「歯ぎしり」
・長時間のスマホ・デスクワークによる姿勢不良
・片側咀嚼、頬杖などの癖
・精神的ストレスや疲労
・大きなあくび、外傷などの一時的負荷
こうした要因が積み重なり、咀嚼筋に持続的な緊張を生じ、朝起きた時に「口が開かない」という症状を引き起こします。

オヤアゴ式の治療ステップ
Step 1:スプリント(ナイトガード)の作成
睡眠中の歯列接触を防ぎ、顎関節や筋肉への負担を軽減します。
起床時の開口状態を記録してもらい、経過を観察します。
Step 2:生活習慣・癖の改善
頬杖や片側咀嚼を避け、リラックスした姿勢を保つよう意識します。
日中の「歯が触れていない時間」を増やすことが重要です。
Step 3:温罨法・ストレッチ
顎周囲の筋肉を温め、ゆっくりとした開口訓練を行います。
痛みのない範囲で少しずつ可動域を広げていきます。
Step 4:定期的な経過観察
開口量・痛み・雑音の変化を確認し、必要に応じて関節・筋の検査を行います。
改善がみられない場合は、関節円板の位置を確認するための画像診断(MRI)を検討します。

「朝起きたら、口が開きにくい」「あくびのあとに顎がひっかかる」
そんな小さなサインを見逃さないことが大切です。
顎関節の不調は、早めに対処することで改善が早くなります。
放置すると治りづらくなったり、慢性的な頭痛・肩こりにつながることもあります。
当院では、顎関節症に特化したスプリント療法や生活指導、ボトックス注射を通じて
「また気持ちよく開けられる朝」を取り戻すお手伝いをしています。

顎のハーモニーが崩れると、体も、心も、少しだけリズムを失います。
顎を整えることは、日常を軽やかにする第一歩です。

オヤアゴ院長ブログ
https://ameblo.jp/kojima-dental
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https://ginza-oralsurgery.com/
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監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。

〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会