親知らず抜歯からの7日間日誌——NRSで見る自然な痛みと異変の分岐点

2025年10月20日

こんにちは。東京都中央区銀座5丁目にある
【親知らず・顎関節症クリニック銀座（通称：オヤアゴクリニック）】です。
当院は以下の3つに特化した歯科クリニックです。
* 親知らずの抜歯
* 顎関節症の治療
* アスリートのための歯科治療

親知らずを抜いたあと、「3日目なのにまだ痛い」「鎮痛薬を飲んでも治まらない」と感じたことはありませんか？
抜歯後の痛みには、自然な治りかけの痛みと異変のサインがあります。
今回は、医療現場でも使われるNRS（Numeric Rating Scale：数値的疼痛評価法）を用いて、
抜歯後の痛みの経過を日誌形式でわかりやすくまとめました。

NRSとは？
0〜10の数値で痛みを表すスケールです。
患者さん自身が数値で痛みを表現することで、医療者との意思疎通がスムーズになります。

数値　痛みの目安
0　痛みなし
1〜3　軽度（気になる程度）
4〜6　中等度（我慢できるが集中しづらい）
7〜10　強い痛み（鎮痛薬が必要・生活に支障）

【Day 0：抜歯当日】
NRS：4〜5（自然）
麻酔が切れてくる頃に「ズーン」とした痛みが出てきます。
鎮痛薬で十分コントロールできる範囲です。

ポイント
* この時期の痛みは自然な炎症反応。
* 強いうがい・喫煙・飲酒は血餅（けっぺい）を失う原因になります。

【Day 1〜2：炎症反応のピーク】
NRS：3〜5（自然）
腫れや開口制限が最も出やすい時期。
痛み止めを上手に使いながら、安静に過ごすことが大切です。

ポイント
* 冷やしすぎない。氷嚢は20分を目安に。
* 柔らかい食事（おかゆ・スープなど）を反対側で。
* 歯磨きは避けず、優しく清掃を。

【Day 3〜4：痛みが軽快してくる時期】
通常経過：NRS 2〜3（軽度）
注意ライン：NRS 3以上に再上昇した場合
「昨日より少し痛いかも…？」と感じたら要注意。
血餅が剥がれ始めると、骨が露出しドライソケットへ移行することがあります。

ドライソケットのサイン
* 鎮痛薬が効きにくい
* 痛みが耳・こめかみ・頭まで響く
* 傷口に黒い膜・白い骨が見える
この段階でNRSが3以上に再上昇したら、“治癒の逆行”の可能性があります。

【Day 5〜7：通常なら落ち着く時期】
通常経過：NRS 1〜2（違和感程度）
異常ライン：NRS 4以上（ドライソケット確定を疑う）
痛みが再び強くなったり、口臭・味覚異常を感じたら、
我慢せず早めに歯科を受診してください。

ポイント
* 「まだ痛い」は“まだ治っていない”ではなく、“治りが止まっている”サイン。
* 適切な処置で1〜2週間で回復するケースがほとんどです。

NRSで見る抜歯後の経過チェック表
日数　正常経過（目安）　注意ライン　コメント
Day0　NRS4〜5　NRS7以上　麻酔後に激痛がある場合は異常
Day1〜2　NRS3〜5　NRS6以上　鎮痛薬が効かない場合注意
Day3〜4　NRS2〜3　NRS3以上　再上昇したらドライソケット疑い
Day5〜7　NRS1〜2　NRS4以上　痛みが続く・再発で要受診

当院からのメッセージ
抜歯後の痛みは「治るための反応」でもありますが、
再び強くなる痛みは、体が発するSOSサインです。
親知らず・顎関節症クリニック銀座では、
抜歯後のフォローアップ・洗浄・保護処置まで一貫して行っています。
痛みを我慢せず、NRS3を超えたら早めにご相談ください。
数値で“見える化”することで、安心して回復へと向かっていきましょう。

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