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抜歯で注意したい服薬シリーズ:骨関係のお薬と外科治療の関係性

2025年10月18日

こんにちは。東京都中央区銀座5丁目にある
【親知らず・顎関節症クリニック銀座(通称:オヤアゴクリニック)】です。
当院は以下の3つに特化した歯科クリニックです。
* 親知らずの抜歯
* 顎関節症の治療
* アスリートのための歯科治療

抜歯の際には、過去の服薬歴がとても重要になることをご存じでしょうか?
特に「骨を強くする薬(ビスフォスフォネート系薬剤)」を服用していた方は、服薬がすでに終了していても顎骨壊死(MRONJ:Medication-Related Osteonecrosis of the Jaw)という合併症のリスクが残る場合があります。

ボナロン(アレンドロネート)などの薬を服用していた方へ
ボナロンをはじめとするビスフォスフォネート系薬剤(アレンドロネート、フォサマックなど)は、骨粗鬆症や若年期の骨疾患の治療に使われることがあります。
これらの薬は骨代謝を抑制することで骨密度を保ちますが、その反面、骨の修復能力を下げることがあり、抜歯などの外科的処置で傷の治りが遅くなる、あるいは顎骨が壊死してしまうことが知られています。
ポイントは、服薬をやめてから数年経っていてもリスクが残るということ。
例えば、10代で服薬していた方でも、抜歯やインプラントなどの際には注意が必要です。

他にも抜歯時に注意すべき薬剤
抜歯前の問診で申告してほしい薬には、以下のようなものがあります。
薬剤の種類 主な薬品名 注意点
ビスフォスフォネート製剤 ボナロン、フォサマック、アクトネルなど MRONJリスク(服薬終了後も残存)
デノスマブ製剤 プラリア、ランマーク 骨代謝抑制が強く、抜歯後の治癒遅延に注意
ステロイド剤 プレドニゾロンなど 免疫抑制による感染リスク上昇
抗がん剤 分子標的薬、抗VEGF薬など 組織修復障害・MRONJリスク
抗血小板・抗凝固薬 バイアスピリン、ワーファリンなど 出血リスク増加(中止の可否は主治医と相談)

当院での対応
オヤアゴクリニックでは、抜歯前に詳細な服薬歴と全身疾患の確認を行い、必要に応じて主治医と連携します。
また、CT撮影による骨の状態評価や、低侵襲な抜歯法の選択、術後の感染予防処置を徹底しています。
「昔の薬だから大丈夫」と自己判断せず、どんな些細な情報でもお伝えください。
安全な抜歯のために、情報の共有が何より大切です。

まとめ
・骨粗鬆症や骨疾患の薬は、服薬終了後もリスクが残る場合がある
・抜歯前には必ず過去の服薬歴を申告すること
・安全な抜歯には、歯科と内科の連携が不可欠

オヤアゴ院長ブログ
https://ameblo.jp/kojima-dental
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監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
親知らず・顎関節症クリニック銀座 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。

〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会